MENU
Check

先生ご自身の「型」を
1分で確かめる

ビジョン型か価値観型か。自分の型が分かると、なぜ特定のスタッフにだけ言葉が届かないのかが見えてきます。

行動傾向チェックを受ける

全15問・約1分/登録不要

指導するたび人が辞める医院の共通パターン

指導するたび人が辞める医院の共通パターン

指導離職とは、上司からの注意や指導をきっかけにスタッフが退職を決意してしまう状態のことです。指導の内容そのものよりも、伝え方と日頃の関係性の土台が原因になっているケースがほとんどです。

目次

良かれと思って伝えた一言で、また一人辞めていく

「このままだと患者様に迷惑がかかるから、きちんと伝えないと」と思い、勇気を出して指導したのに、そのスタッフが数週間後に「辞めます」と言い出す。歯科医院の現場では、こうした出来事が繰り返されることがあります。

指導するたびに人が辞めていく医院ほど、院長は「もう何も言えない」と口をつぐんでしまいます。

私自身も、コーチとして活動する前、人間関係に悩んでいた時期に、伝え方を間違えて相手を深く傷つけてしまった経験があります。「正しいことを言っている」という思いが強いほど、相手がどう受け取るかへの配慮が後回しになっていました。指導の内容が的を射ていたとしても、伝え方や関係性が整っていなければ、相手の心には届かず、むしろ距離を広げてしまうのだと、痛感した出来事でした。

このパターンに陥っている医院では、院長が指導そのものを避けるようになり、結果として新人が育たない、ベテランがやりたい放題になるという、別の問題を引き起こしてしまうことも少なくありません。

さらに悪循環なのは、一度「指導したら辞めた」という経験をすると、次に似た場面が来たときに院長の頭に真っ先に浮かぶのが「また辞められたらどうしよう」という恐れになってしまうことです。恐れを抱えたまま伝える言葉は、必要以上に遠回しになったり、逆に自分を守るために強くなったりと、ちょうどよい加減を見つけにくくなります。指導することと、関係を保つことは、決して両立できないものではありません。両立できていないように見える医院の多くは、指導の「内容」ではなく「伝え方」と「土台」のどちらか、あるいは両方に課題を抱えているのです。

伝え方の型を無料で診断する

指導そのものが悪いのではなく「関係性の土台」が壊れている

まず知っておいていただきたいのは、指導すること自体は問題ではないという点です。厚生労働省が定める労働施策総合推進法では、職場のパワーハラスメントを「優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、就業環境が害されるもの」と定義しています。つまり、業務上必要で、かつ相当な範囲内の指導であれば、それはハラスメントではなく正当な指導だということです。

しかし現場では、この「相当な範囲」の感覚が院長とスタッフの間でずれていることが頻繁にあります。院長にとっては当然の指摘でも、スタッフにとっては人格を否定されたと感じられる。このズレが積み重なった結果として、「指導されたら辞める」という選択が生まれてしまうのです。

言い換えれば、辞めていく原因は指導の正しさではなく、指導を受け止めるための関係性の土台がその時点で整っていなかったことにあります。土台がない状態での指導は、内容がどれだけ正しくても、相手には「攻撃」としてしか受け取られません。

同じ言葉を伝えても、信頼関係がある相手からは「気にかけてもらえている」と受け取られ、信頼関係がない相手からは「一方的に責められている」と受け取られる。これは特別なことではなく、人間関係のごく自然な仕組みです。歯科医院という、限られた人数で長時間を共にする職場では、このズレが積み重なりやすく、一度こじれると立て直しに時間がかかる点にも注意が必要です。

指導のたびに辞められてしまう原因は主に3つ

原因1|指導のタイミングが「人前」や「感情的な時」に集中している

他のスタッフや患者様の前で注意された経験は、内容以上に「恥をかかされた」という感情として強く残ります。また、院長自身がイライラしているタイミングでの指導は、言葉が必要以上に強くなりがちです。「いつ」「どこで」伝えるかは、「何を」伝えるかと同じくらい重要です。

診療の合間、次の患者様が待っている状況で慌てて指摘してしまうことも、歯科医院ではよく起こります。時間に余裕がない中での指導は、どうしても言葉数が少なく、結論だけを突きつけるような形になりがちです。可能であれば、その場で完結させず、「後で少し時間をとって話そう」と一言添えるだけでも、受け取られ方は変わってきます。

原因2|日頃の信頼関係(心理的安全性)がないまま踏み込んでいる

普段からあいさつや感謝の言葉が少なく、業務連絡だけの関係になっている場合、指導は「人間関係の延長」ではなく「一方的な攻撃」として受け取られやすくなります。心理的安全性の土台については歯科医院の心理的安全性|スタッフが辞めない組織づくりでも詳しく解説していますが、指導が機能する医院ほど、平時の関わりが丁寧であるという共通点があります。

原因3|「指導=否定」だとスタッフに刷り込まれている

過去に厳しい指導を受けた経験があるスタッフや、前の職場で理不尽な扱いを受けてきたスタッフは、指導そのものに強い警戒心を持っていることがあります。院長がどれだけ丁寧に伝えても、「また否定される」という前提で受け取られてしまうと、内容は正しく伝わりません。

このような場合、指導の言葉そのものを工夫するだけでは限界があります。平時のうちに「あなたのことを否定するつもりはない」というメッセージを、言葉と行動の両方で積み重ねておくことが必要になります。時間はかかりますが、土台さえできれば、その後の指導ははるかに伝わりやすくなります。

関係を壊さない指導への解決方法

Iメッセージで伝える

「あなたはいつも遅い」ではなく「私は、もう少し早く共有してもらえると助かる」というように、主語を「私」に置き換えるだけで、伝わり方は大きく変わります。具体的な言い換えの例は歯科医院のスタッフ注意の仕方|Iメッセージ活用術にまとめていますので、あわせて参考にしてください。

よくある伝え方(NG) 言い換え例(Iメッセージ)
「あなたはいつも報告が遅い」 「私は、もう少し早く共有してもらえると助かる」
「何度言えばわかるの」 「私は、同じことを繰り返さない方法を一緒に考えたい」
「やる気があるの?」 「私は、あなたの力をもっと発揮してほしいと思っている」

表を見比べると分かるように、NG例はすべて「あなた」を主語にした断定であり、言い換え例はすべて「私」を主語にした気持ちの共有になっています。主語を変えるだけで、同じ内容でも相手が受け取る印象は大きく変わるのです。

心理的安全性を平時から積み重ねる

指導の場面だけを取り繕っても、土台がなければ効果は長続きしません。日頃のあいさつ、感謝の言葉、雑談の時間を意識的に増やすことが、いざ指導が必要になった時の受け止められ方を大きく変えます。

指導とハラスメントの境界を院長自身が理解する

「業務上必要かつ相当な範囲かどうか」という基準を院長自身が理解しておくことで、指導への迷いや過剰な遠慮を減らすことができます。逆に、指導を避け続けてしまう院長の傾向についてはスタッフを注意できない院長の5つの対処法もあわせてご覧いただくと、両極端のどちらにも陥らないためのヒントになるはずです。

基準を持たずに指導していると、同じような内容でも、その日の院長の気分によって強さが変わってしまうことがあります。スタッフからすると、これは「何が正しいかわからない」という不安につながり、指導そのものへの信頼を失う原因になります。院長自身が一定の基準を言語化しておくことは、スタッフの安心感にも直結します。

今日からできる3つの具体アクション

  1. 次に指導が必要な場面では、必ず個室や落ち着いた場所を選ぶ
  2. 「あなたは」ではなく「私は」で始まる一文に言い換えてから伝える
  3. 指導した後、24時間以内に一言だけ「さっきはありがとう、助かった」というフォローの声をかける

指導の内容そのものよりも、指導した後にどう関わるかが、スタッフの受け取り方を大きく左右します。フォローの一言があるだけで、「否定された」という記憶が「気にかけてもらえた」という記憶に変わることがあります。

これらは特別な技術ではなく、誰でも今日から始められることばかりです。ただし、続けることには意味があります。一度だけIメッセージを使ってみても、次の指導で元の言い方に戻ってしまえば、スタッフには「たまたま」としか受け取られません。継続して同じ姿勢を見せ続けることで、初めて「この院長は変わった」という実感が生まれます。

まとめ|指導を避けるのではなく、土台から整える

指導のたびに人が辞めていく医院には、指導の内容そのものよりも、伝えるタイミングと日頃の関係性の土台に共通の課題があります。指導を怖がって何も言えなくなるのではなく、伝え方と土台の両方を整えることで、正しい指導が正しく伝わる医院に近づいていきます。

私自身も、伝え方を間違えて相手との関係を壊してしまった経験から、正しさだけでは人は動かないのだと学びました。指導を怖がる必要はありませんし、遠慮しすぎる必要もありません。大切なのは、伝え方と土台の両方に目を向け続けることです。もし今、指導のたびに辞められてしまうことに悩んでいるなら、一人で抱え込まず、まずは無料体験説明会でお話を聞かせてください。

よくある質問

Q1. 指導とパワーハラスメントの境界はどこにありますか?

厚生労働省の定義では、優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動によって就業環境が害される場合にハラスメントとされます。業務上必要で相当な範囲内であれば、それは正当な指導です。範囲の感覚がスタッフとずれていないか、日頃から確認することが大切です。院長一人の感覚だけで判断するのではなく、第三者の視点を借りて確認する方法もあります。

Q2. 指導した後にフォローの声をかけるのは、甘やかしになりませんか?

甘やかしとは異なります。指導の内容を撤回するわけではなく、指導した事実を残したまま、関係性が壊れていないことを伝える行為です。フォローがあることで、スタッフは指導の内容を素直に受け止めやすくなります。

Q3. 何度も同じミスをするスタッフに、どう指導すればよいですか?

同じ言葉を繰り返すのではなく、なぜ同じミスが起きるのか一緒に振り返る時間を作ることをおすすめします。理解不足なのか、仕組みの問題なのかによって、必要な対応は変わってきます。

Q4. 人前で注意してしまった場合、どう対応すればよいですか?

できるだけ早いタイミングで、個別に「先ほどはあの場で伝えてしまって申し訳なかった」と一言添えることをおすすめします。誠実な対応があるだけで、受け取られ方は大きく変わります。

Q5. 指導が怖くて、何も言えなくなってしまいました。どうすればよいですか?

指導そのものを避け続けると、新人が育たなかったり、ルールが曖昧になったりと、別の問題につながることがあります。まずはIメッセージなど、関係を壊しにくい伝え方から取り入れてみることをおすすめします。小さな成功体験を積むことで、指導そのものへの恐れは少しずつ和らいでいきます。

一人で抱え込まず、まずはお話を聞かせてください

まずは無料体験説明会に申し込む

伝え方の型を無料で診断する

この記事を書いた人

梅田 亮のアバター 梅田 亮 代表取締役

株式会社PlumChan 代表取締役。医科・歯科専門でコーチング技術を用いたコミュニケーション研修やスタッフ面談代行を行い、心理的安全性の高い職場づくりを行っています。

目次