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求人倍率23.7倍でも採用できる医院の共通点

求人倍率23.7倍でも採用できる医院の共通点
目次

「募集をかけても応募がゼロ」その悩み、あなただけではありません

求人サイトに掲載しても、1件も応募が来ない。ハローワークに出しても反応がない。掲載費だけがかさみ、面接すらできないまま掲載期間が過ぎていく。やっと応募が来たと思ったら条件面だけ確認されて辞退される。歯科衛生士の採用に悩む院長から、こうした声を数えきれないほど聞いてきました。

歯科衛生士の有効求人倍率とは、歯科衛生士を1人採用したい医院の数を、実際に転職・就職を希望する歯科衛生士の数で割った指標のことです。各種調査によれば、この数値は20倍を大きく超え、23倍前後という水準で推移していると報告されています。単純化すると、1人の歯科衛生士に対して20以上の医院が「来てほしい」と手を挙げている状態です。

これだけ厳しい市場でも、応募が絶えない医院は確かに存在します。私自身、独立前は組織の中で人材確保の難しさに直面し、「条件を上げても人が来ない」という壁にぶつかった経験があります。求人票の言葉を何度書き直しても応募は増えず、途方に暮れたこともありました。そこで気づいたのは、採用できるかどうかを決めているのは、求人票の条件欄ではなく、医院の中で実際に何が起きているかだということでした。

この記事では、求人倍率23倍時代でも採用できている医院の共通点と、今日から取り組める具体策を、実際の支援事例を交えてお伝えします。

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求人倍率23倍時代に採用できる医院とできない医院の違い

採用できる医院とできない医院の違いは、給与や設備の差だけでは説明がつきません。同じような条件を提示していても、応募数に何倍もの差がつくのが、いまの歯科衛生士採用市場の実態です。

ある調査会社のレポートでは、歯科衛生士の新卒求人倍率が過去最高水準を更新し続けていることが報告されています。この状況下では、求人を「出す」だけでは選ばれません。歯科衛生士側が「どの医院で働くか」を選ぶ立場にあるからです。特に若い世代のスタッフは、給与などの条件面と同じか、それ以上に「職場の人間関係」や「働きやすい雰囲気」を重視する傾向が強いと言われています。世代ごとの価値観の違いについてはZ世代歯科衛生士マネジメント完全ガイドでも詳しく解説していますが、この価値観の変化を理解しないまま従来型の求人票を出し続けている医院ほど、苦戦している印象があります。

私が支援したある医院では、給与テーブルを変えていないにもかかわらず、院内の雰囲気とスタッフの定着状況を改善しただけで、半年後には紹介経由の応募が3件続けて入るようになりました。採用できる医院は、求人広告を出す前から、すでに「選ばれる理由」を持っているのです。逆に言えば、その理由がない限り、求人広告の表現をどれだけ工夫しても効果には限界があります。

応募が集まらない医院に共通する3つの原因

なぜ応募が集まらないのか。多くの医院に共通する原因は3つあります。

原因1:求人票が「自院にしかない魅力」を語れていない

「アットホームな職場です」「スタッフ同士仲が良いです」といった表現は、ほぼすべての求人票に書かれており、差別化になっていません。具体性のない言葉は、読み手の記憶に一切残りません。何がどうアットホームなのか、具体的にどんな場面でスタッフ同士が助け合っているのか、実際のエピソードを添えられている求人票は驚くほど少ないのが実情です。読み手からすれば、どの医院の求人票も同じに見えてしまい、結局は給与や勤務時間といった条件面だけで比較されることになります。条件面での勝負は、体力のある大規模医院ほど有利になりがちで、個人経営の医院にとっては不利な戦いです。

原因2:「定着しない職場」という評判が水面下で回っている

歯科衛生士のコミュニティは想像以上に狭く、専門学校の同期ネットワークやSNSを通じて医院の評判は静かに広がっています。離職率の高さは、求人広告よりも先に応募者の耳に届いています。面接で好印象を与えられても、事前に広がった評判を覆すのは簡単ではありません。逆に「あそこは長く働いている人が多い」という評判があれば、それだけで応募のハードルは大きく下がります。院長が思っている以上に、退職したスタッフの口コミは長く、広く残り続けるということを念頭に置いておく必要があります。

原因3:入職後の育成体制が見えないため、応募をためらわれる

「入ってからちゃんと教えてもらえるのか」という不安は、経験の浅い歯科衛生士ほど強く持っています。教育体制が言語化されていない求人票では、この不安を払拭できません。教育の仕組みづくりについては歯科医院の新人教育|OJTで定着率を上げる方法で詳しく解説していますが、この体制が整っているかどうかは、実は採用の入口段階からすでに結果を左右しています。

採用力がある医院がやっている3つのこと

原因の裏返しとして、採用力のある医院が実践していることも3つに整理できます。

対策1:在籍スタッフの声で、自院の魅力を言語化する

院長自身の言葉ではなく、実際に働いているスタッフの声を求人票やSNSに載せることで、説得力が格段に上がります。第三者の言葉は、院長の言葉より何倍も信頼されます。「なぜここで働き続けているのか」をスタッフ自身に語ってもらう場を作ることが、採用ページを作り込むよりも効果的なことがあります。実際に、スタッフインタビューを求人票に載せただけで応募数が増えたという医院の話も珍しくありません。写真1枚、コメント数行だけでも、抽象的なキャッチコピーより何倍も説得力を持ちます。

対策2:定着率の高さそのものを採用のメッセージにする

「開業から平均在籍年数◯年」「離職者ゼロを◯年継続中」といった数字は、他院との差別化に直結します。数字を出せるということは、その裏に定着のための取り組みが実際にあるということです。院内の心理的な安全性づくりについては歯科医院の心理的安全性|スタッフが辞めない組織づくりも参考になりますが、こうした地道な取り組みの積み重ねが、最終的には採用の武器になっていきます。

対策3:紹介・リファラルの仕組みをつくる

歯科衛生士の転職は、求人サイト経由よりも知人からの紹介経由のほうが、入職後の定着率が高い傾向があると言われています。今いるスタッフが「ここなら友人にも勧められる」と思える職場かどうかが、採用チャネルの質を決めます。紹介してもらえる関係を作るには、日頃からスタッフが安心して働けているかどうかが土台になります。紹介制度そのものを整えることも大切ですが、それ以前に「紹介したい」と思ってもらえる職場であることが前提になります。逆に、今の職場に不満を抱えているスタッフが、友人を紹介したいと思うことは決してありません。紹介が生まれるかどうかは、採用施策以前に、日々の職場運営の結果としてすでに決まっているのです。

以下は、応募が集まりやすい求人票と、集まりにくい求人票の違いをまとめたものです。

項目応募が集まりにくい求人票応募が集まりやすい求人票
職場の魅力「アットホーム」など抽象的な表現のみスタッフの実際の声・エピソードを掲載
定着の実績記載なし平均在籍年数など具体的な数字を明記
教育体制「丁寧に指導します」とだけ記載教育の流れ・期間・担当者を具体的に説明

今日から始められる採用力を上げる具体的アクション

まず、今在籍しているスタッフに「この医院で働き続けている理由」を率直に聞いてみてください。その言葉こそが、どんな求人コピーよりも説得力のある採用メッセージになります。中途採用で入ったスタッフがなじめずに悩んでいるケースがあれば、既存スタッフとの間に見えない壁ができていないかも、あわせて振り返ってみましょう。せっかく採用できても、職場になじめなければ早期離職につながり、また同じ採用活動を繰り返すことになってしまいます。

次に、平均在籍年数や離職者数など、定着に関する数字を実際に集計してみてください。良い数字であれば、それをそのまま求人票に反映します。まだ数字に自信が持てない場合は、まず数字を良くするための内部の取り組みを優先すべきタイミングだと考えてください。無理に数字を良く見せようとするより、地道な改善のほうが結果的に近道です。集計してみて初めて、感覚と実際の数字のズレに気づく院長も少なくありません。

最後に、今のスタッフが「この職場を紹介したい」と思えているかを確認してください。条件面の見直しだけに時間を使うのではなく、まず今いるスタッフとの関わり方を1つでも変えてみることから始めてみてください。

まとめ:採用は「集める工夫」より「選ばれる理由」づくり

求人倍率が23倍を超える市場では、求人広告の見せ方だけで採用競争を勝ち抜くのは困難です。本当の採用対策は、求人票を書く前の「医院の中身」にあります。在籍スタッフが定着し、活き活きと働いている医院には、自然と人が集まってきます。

私自身、採用に苦戦していた頃は「もっと良い条件を提示すれば人が来る」と思い込んでいました。しかし実際に効果があったのは、条件を変えることではなく、今いるスタッフとの関わり方を見直すことでした。「選ばれる医院」になる近道は、遠回りに見えて、実は足元の職場づくりなのです。求人倍率という数字そのものを変えることはできませんが、その中で選ばれる医院になることは、決して不可能ではありません。焦って求人票だけを書き換える前に、まずは院内に目を向けてみてください。一人で抱え込まず、まずは無料体験説明会でお話を聞かせてください。

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よくある質問

Q1. 歯科衛生士の有効求人倍率は本当に20倍を超えているのですか?

各種の業界調査で20倍台という水準が報告されており、地域や時期によって差はあるものの、歯科衛生士の採用が全国的に厳しい状況にあることは共通して指摘されています。都市部だけでなく地方でも人材確保に苦労している医院は少なくなく、今後もこの傾向が大きく緩和される見通しは立っていません。

Q2. 給与を上げれば応募は増えますか?

一定の効果はありますが、給与だけで差別化するには限界があります。同水準の給与を提示する医院が多い中では、職場の人間関係や定着の実績といった要素のほうが、応募の決め手になりやすい傾向があります。給与を上げ続けることには経営上の限界もあるため、それだけに頼らない採用力づくりが結果的に医院を守ることにもつながります。

Q3. リファラル採用を始めるにはどうすればいいですか?

まずは今いるスタッフに、紹介してもらえそうな知人がいるかを気軽に聞いてみることから始められます。紹介してくれた際の謝礼制度を整えるのも一つの方法ですが、それ以前に「紹介したい」と思える職場であることが前提になります。制度を作る順番を間違えると、謝礼だけが目当ての紹介になり、長続きしないことにも注意が必要です。

Q4. 中途採用と新卒採用、どちらに力を入れるべきですか?

医院の状況によりますが、どちらを採用する場合でも、入職後の定着支援体制が整っていることが前提になります。採用チャネルを増やす前に、まず受け入れ体制を見直すことをおすすめします。受け入れ体制が整っていない状態で採用ルートだけを増やしても、入っては辞めるという同じ結果を繰り返すだけになりかねません。

Q5. 採用がうまくいかないのは院長の面接の仕方が悪いのでしょうか?

面接の技術も一因にはなり得ますが、多くの場合、問題は面接の前段階、つまり応募が集まる仕組みそのものにあります。面接に来てもらえる数を増やすことが、まず取り組むべき課題であるケースがほとんどです。母数が少ない状態でどれだけ面接の質を上げても、採用できる人数自体は増えません。

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この記事を書いた人

梅田 亮のアバター 梅田 亮 代表取締役

株式会社PlumChan 代表取締役。医科・歯科専門でコーチング技術を用いたコミュニケーション研修やスタッフ面談代行を行い、心理的安全性の高い職場づくりを行っています。

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