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院長コーチングで話すテーマの見つけ方【準備ガイド】

院長コーチングで話すテーマの見つけ方【準備ガイド】

「今日は特に話すことがないんです」——コーチングセッションの冒頭でそう口にしてしまい、気まずい沈黙が流れた経験はありませんか。コーチングで話すテーマとは、直近の出来事だけでなく、経営・現場・自分自身という3つの引き出しから「感情が動いた場面」を拾い上げることで自然に見つかるものです。この記事では、なぜテーマが見つからなくなるのか、その原因と今日からできる準備の仕方を具体的にお伝えします。この記事を読むとわかることは次の3つです。第一に、話すことがなくなってしまう構造的な理由。第二に、テーマを無理なく見つけるための考え方の型。第三に、セッション前にできる小さな準備の習慣です。

目次

「今日は特に話すことがない」院長がコーチング中に固まる瞬間

院内コミュニケーション研修やコーチングを申し込む院長の多くは、最初は前向きな気持ちでセッションに臨まれます。ところが2回目、3回目とセッションを重ねるうちに、「今日は何を話そう」と直前まで悩んでしまう方が少なくありません。真面目で誠実な院長ほど、この「話すことがない」という状態に焦りを感じやすい傾向があります。

私自身も、院長先生方のコーチングに携わる中で、この壁に何度も立ち会ってきました。ある開業4年目の院長は、初回セッションでは前院長との比較に悩む気持ちを堰を切ったように話されたのですが、3回目のセッションでは「特に問題は起きていないので、話すことがないんです」とおっしゃいました。しかし少し会話を続けると、「実は先週、若手スタッフの言葉にモヤモヤした」という出来事が出てきたのです。「話すことがない」のではなく、「話していいと思えることに気づいていないだけ」だったわけです。

別の院長は、「セッションのために特別なテーマを用意しなければいけない」というプレッシャーを感じすぎるあまり、セッション前夜になかなか眠れなかったと打ち明けてくれたことがあります。真面目な院長ほど、コーチングを「準備して臨む試験」のように捉えてしまいがちですが、実際にはそこまで肩に力を入れる必要はありません。日常の延長線上にある小さな気づきこそが、最も価値のある対話の材料になるからです。

コーチング業界の調査でも、セッションの満足度を左右する要因として「テーマ設定の準備」が上位に挙げられることが繰り返し報告されています。事前準備の有無が、セッションの質を大きく左右するのです。

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なぜコーチングで「話すことがない」状態になるのか

結論から言うと、多くの院長は「相談するに値する大きな問題」だけを話すべきテーマだと考えてしまいがちです。しかし、コーチングは問題解決の場である以前に、自分の考えや感情を言語化し、整理するための時間です。大きな問題が起きていない日常こそ、実は気づきの宝庫になっていることが多いのです。

診療に追われる毎日の中では、感じたことをその場で流してしまい、振り返る機会がありません。「なんとなく気になった」「一瞬モヤッとした」といった小さな感情の動きは、意識しなければそのまま忘れ去られてしまいます。コーチングの本質は「答えを与えること」ではなく「本人の中にある気づきを引き出すこと」にあります。だからこそ、材料となる日々の出来事を拾い集めておく姿勢が欠かせません。

診療という仕事の特性上、院長は次から次へと目の前の患者やスタッフの対応に追われ、立ち止まって考える時間そのものが物理的に少ない職業でもあります。だからこそ意識的に「振り返る時間」を確保しない限り、感じたことは記憶に残らないまま消えていってしまうのです。これはコーチングに限らず、コーチング型マネジメントとは?歯科医院での実践法でも触れているように、院長業務全般に共通する構造的な課題だと言えるでしょう。

テーマが見つからなくなる3つの原因

現場でよくお聞きする原因を整理すると、次の3つに集約されます。

直近の出来事だけを話そうとしている

「今週何かありましたか」と聞かれると、多くの院長はここ数日の出来事だけを思い浮かべます。しかし、数週間前に感じたモヤモヤや、まだ結論が出ていない迷いも、立派なテーマになります。視野を「今週」だけに絞ってしまうことが、話題を狭めているのです。

「相談すべきこと」と「雑談」を分けすぎている

コーチングを「深刻な相談をする場」だと捉えすぎると、雑談レベルの違和感は「話すほどのことではない」と切り捨ててしまいます。しかし実際には、些細な違和感の中にこそ本質的な課題が隠れていることが多くあります。

セッションの合間に振り返りをしていない

セッションが終わった瞬間から次のセッションまでの間、何も記録せずに過ごしてしまうと、次回までに感じたことのほとんどは記憶から消えてしまいます。振り返りの習慣がないまま次のセッションを迎えると、「話すことがない」状態になるのは自然な結果とも言えます。

人の記憶は想像以上に曖昧で、1週間前の出来事であっても、感情の強度が弱ければほとんど思い出せなくなってしまいます。逆に言えば、感情が動いた瞬間にほんの一言でも書き留めておくだけで、記憶は驚くほど鮮明に呼び起こされます。この「記録するかどうか」の差が、セッションの充実度を大きく左右しているのです。

話すテーマを見つけるための解決方法

原因が分かれば、対処の方向性も見えてきます。ポイントは「大きな出来事」を探すのではなく、「日々の小さな引っかかり」を拾う仕組みを作ることです。

「感情が動いた場面」をメモしておく

嬉しかった、イライラした、戸惑った——感情が動いた瞬間こそがテーマの種です。出来事の大小にかかわらず、感情が動いたら一言でもメモに残す習慣をつけると、セッション前に見返すだけで話す材料に困らなくなります。

経営・現場・自分自身の3つの引き出しで考える

テーマを探すときは、「経営」「現場のスタッフ対応」「院長自身の心境」という3つの視点で振り返ると、話すことがないという感覚は大きく減ります。どれか1つの視点に偏らず、3つの引き出しを順番に開けてみることで、思いがけない気づきが出てくることもあります。歯科医院の1on1ミーティング導入方法【7ステップ】で紹介しているような振り返りの型は、コーチングのテーマ探しにも応用できます。

例えば「経営」の引き出しからは、自費率や新患数といった数字を見て感じた焦りや手応え。「現場」の引き出しからは、スタッフとのやり取りで感じた小さな違和感や嬉しさ。「自分自身」の引き出しからは、院長という立場への迷いやプレッシャーといった感情が出てきます。この3つを順番に思い出すだけで、話すテーマが一つも見つからないという状況はほとんどなくなります。

前回のセッションの続きから始める

前回話した内容の「その後どうなったか」を話すだけでも、立派な1つのテーマになります。継続性のある振り返りは、単発の出来事を話すよりも深い気づきにつながりやすいという特徴があります。

前回のセッションで「こうしてみようと思う」と話した行動を実際に試したかどうか、試した結果どう感じたかを共有するだけで、そこから新しい問いが自然に生まれることも多くあります。セッションを単発の点として捉えるのではなく、線としてつなげていく意識を持つことが、テーマ探しの負担を減らす近道になります。

今日からできる具体アクション

考え方が分かっても、習慣にしなければ意味がありません。今日から実践できる小さな行動をご紹介します。

セッション前日に5分間メモを取る

前日の夜や当日の朝に5分だけ時間を取り、「最近気になったこと」を3つ書き出してみてください。この習慣だけで、セッションの冒頭で固まることはほとんどなくなります。スマートフォンのメモアプリでも、手帳の隅でも構いません。形式にこだわらず、続けやすい方法を選ぶことが習慣化の一番のコツです。

「困った」「嬉しかった」「迷った」の3語で振り返る

1日の終わりに、この3語のどれかに当てはまる出来事がなかったか思い出す習慣をつけると、感情の記録が自然に積み重なっていきます。こうした小さな振り返りの積み重ねは、歯科医院の心理的安全性の作り方|院長の実践5ステップにもつながる、コーチングの効果を最大化する土台になります。

3語すべてに当てはまる出来事を無理に探す必要はありません。1つでも当てはまれば十分です。毎日続けることが難しければ、週に2〜3回でも構いません。大切なのは完璧に続けることではなく、感情を言葉にする習慣そのものを少しずつ身体に馴染ませていくことです。

コーチに「今の状態」をそのまま伝える

無理にテーマを作ろうとせず、「今日は特に話すことが浮かばない」という状態そのものを最初に伝えてしまうのも一つの方法です。取り繕わずに今の状態を共有すること自体が、良質な対話の入り口になることも少なくありません。

実際、「話すことがない」という一言をきっかけに、「では、なぜ今は話すことがないと感じるのか」という新しい問いが生まれ、そこから思いがけない気づきにつながったというケースも多くあります。テーマを無理に作り出すことよりも、正直な今の状態を出発点にすることの方が、結果的に深い対話につながることは決して珍しくありません。

まとめ:話すことがない日こそ、気づきが眠っている

「話すことがない」という感覚は、順調に過ごせている証拠であると同時に、日々の小さな気づきを拾いきれていないサインでもあります。感情が動いた場面をメモする、3つの引き出しで振り返る、前回の続きから話す——こうした小さな工夫の積み重ねが、コーチングの価値を大きく左右します。

コーチングは、毎回劇的な発見が求められる場ではありません。むしろ、日常の小さな違和感や気づきを丁寧に拾い上げ、言葉にしていくことの積み重ねこそが、長期的に院長自身の判断力や関わり方を磨いていきます。「話すことがない」と感じた日ほど、実は見過ごしている気づきが眠っていることが多いのです。

一人で振り返りを続けるのが難しいと感じたら、対話の中で一緒に整理していくこともできます。まずは無料体験説明会でお話を聞かせてください。

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よくある質問

Q1. コーチングのセッション頻度はどのくらいが適切ですか。

医院の状況や目的によって異なりますが、月1回程度のペースで継続する院長が多い傾向にあります。頻度が空きすぎると振り返りの材料が薄れやすいため、一定の間隔を保つことが効果を高めるポイントです。

Q2. 経営の話とプライベートな悩み、どちらを優先して話すべきですか。

優先順位を決める必要はありません。院長自身の心境も経営に直結する重要な要素であるため、どちらも遠慮なく話してよいテーマです。

Q3. 前回と同じテーマを繰り返し話してもいいのですか。

問題ありません。むしろ同じテーマを継続して扱うことで、変化や進捗が見えやすくなり、気づきが深まることが多くあります。

Q4. コーチングと1on1面談は何が違うのですか。

1on1面談はスタッフとの対話を通じて現場の状況を把握する場であるのに対し、コーチングは院長自身の思考や感情を整理し、行動につなげるための対話です。目的も対話の方向性も異なります。

Q5. コーチングを受けても効果を感じられるか不安です。

多くの院長が最初は同じ不安を口にされます。効果は一度の対話で劇的に現れるものではなく、小さな気づきの積み重ねによって徐々に実感されるものです。まずは体験の場で対話の雰囲気を確かめてみることをおすすめします。相性やペースを実際に感じてから継続を判断できるため、いきなり長期契約をする必要はありません。

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この記事を書いた人

梅田 亮のアバター 梅田 亮 代表取締役

株式会社PlumChan 代表取締役。医科・歯科専門でコーチング技術を用いたコミュニケーション研修やスタッフ面談代行を行い、心理的安全性の高い職場づくりを行っています。

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